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Google I/O席巻、Karpathy移籍、AIの巨大再編が動く

Google I/O 2026でGemini 3.5 FlashとAIエージェント「Spark」が発表され、Andrej KarpathyのAnthropicへの電撃移籍と相まって、AI業界が大きく動いた一日となった。

1. Google I/O 2026:Gemini 3.5 FlashとAIエージェント「Spark」が登場

Google I/O 2026(5月19〜20日)において、Googleはフロンティアレベルの知性を競合モデルの4倍の速度で提供する「Gemini 3.5 Flash」を正式リリースした。同モデルは1Mトークンのコンテキストウィンドウを持ち、入力100万トークンあたり1.50ドル、出力9ドルという低価格を実現している。コーディング・エージェント・マルチモーダルの各ベンチマークで先代のGemini 3.1 Proを上回り、速度面でも際立った性能を示した。

同時に発表されたAIエージェント「Gemini Spark」は、24時間365日稼働するパーソナルAIアシスタントで、専用のGmailアドレス経由でタスクを受け付け、Chromeでウェブを閲覧しながら長時間のタスクをバックグラウンドで処理する。Gmail・Google Docs・Sheets・Slidesとネイティブ統合しており、MCP(Model Context Protocol)経由でCanva、OpenTable、Instacartとも接続する。Gemini 3.5とGoogle Antigravityのエージェントハーネス上で動作し、Google Cloudの専用VMで実行される。Sundar Pichai CEOは「次世代スマートアシスタントの進化形」と表現した。

さらにGemini Omniというワールドモデルも発表され、映像生成・編集を担う次世代マルチモーダル基盤として位置づけられた。AIサブスクリプションの最上位プラン「AI Ultra」は月額250ドルから200ドルへの値下げも実施され、競合他社への価格圧力が強まっている。

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2. Andrej Karpathy、AnthropicのPretraining研究チームへ電撃参加

OpenAI共同創業者で世界的に著名なAI研究者のAndrej Karpathyが、Anthropicへの参加を5月19日に電撃発表した。KarpathyはX(旧Twitter)に「LLMのフロンティアにおける今後数年は特に重要な時期になると考えている。R&Dに戻れることをとても楽しみにしている」と投稿した。AnthropicのPretraining部門でNick Josephの下で勤務し、Claudeそのものを活用してPretraining研究を加速させる新チームの立ち上げを主導する見込みだ。

Karpathyは2015年〜2017年にOpenAIで深層学習とコンピュータビジョンに従事し、その後テスラでFSD(完全自動運転)・Autopilotプログラムを率いた。2022年にテスラを離れ、2024年に教育特化AIスタートアップ「Eureka Labs」を創業していた経緯がある。AI研究コミュニティへの発信力と技術的深みを兼ね備えた人物のAnthropicへの参加は、同社のPretraining能力の大幅な強化を示唆している。

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3. Anthropic「Claude Mythos Preview」—ソフトウェア脆弱性を大量発見するサイバーセキュリティ特化モデル

Anthropicは、サイバー攻撃演習を用いたレッドチーム評価で27年前のOpenBSD脆弱性と16年前のFFmpegバグを発見するなど、前世代のClaude Opus 4.6比で脆弱性発見性能が約90倍に向上した「Claude Mythos Preview」を発表した。エンドツーエンドの32ステップからなるサイバー攻撃演習をOpenAI GPT-5.5より3週間早くクリアしたという。

ただし同社は、悤濫用リスクへの慎重な判断から一般公開を見送り、限定的な企業グループへの提供にとどめた。「Project Glasswing」と名付けられたサイバーセキュリティイニシアチブの一環として位置づけられており、まず能力の低いモデルで新たなサイバーセーフガードを検証してから展開する方針だ。欧州連合(EU)に対してはOpenAIが先行してサイバーモデルへのアクセスを提供しており、Anthropicはまだ保留中という状況もある。

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4. OpenAI「Guaranteed Capacity」正式ローンチ—最大3年の計算資源確保プラン

OpenAIは5月19日、大規模AIプロダクト・エージェントを開発する企業向けに長期的な計算資源アクセスを保証する「Guaranteed Capacity」を正式リリースした。エンタープライズ顧客は1年・2年・3年の容量利用契約を締結でき、期間が長いほど大きな割引が適用される仕組みだ。AIワークロードの安定稼働に必要なインフラを確保したい企業にとって、需要急増時のリソース不足リスクを回避できる重要なサービスとなる。

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5. CloudflareがLLM向け高性能インフラを発表—グローバルネットワーク規模での推論実行

Cloudflareは、LLM(大規模言語モデル)を自社のグローバルネットワーク全体で実行するために設計された新しいインフラアーキテクチャを発表した。入力処理(プリフィル)と出力生成(デコード)を別々に最適化されたシステムに分離し、GPUをより効率的に管理するカスタム推論エンジンを採用した点が特徴だ。推論コストが年率約10倍のペースで低下する中、同等の性能を持つモデルの運用コストを大幅に削減できる可能性がある。フロンティアモデルの民主化とエッジコンピューティングへのAI展開加速に向けた重要な一歩として注目を集めている。

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6. AI礼賛への反発が顕在化—卒業式でシュミット前Google CEOにブーイング

AI布教への抵抗が声高になっている。元Google CEOのエリック・シュミットがアリゾナ大学の卒業式でAIについて語ったところ、学生からブーイングを受けた。スタンフォード大学の研究者たちは「AIエバンジェリズムの時代は終わり、AI評価の時代が始まる」と予測しており、業界全体で技術の功罪に対する冷静な評価へのシフトが進んでいる。一方、Subquadratic社が発表した「SubQ 1M-Preview」は従来のTransformerではなく完全なサブ二次スパースアテンション・アーキテクチャで構築された初の商用LLMで、1200万トークンのコンテキストウィンドウを持ち、フロンティアモデルの約5分の1のコストと最大52倍の高速処理を主張する注目作だ。

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