政治経済

ベッセント訪日・米中首脳会談前夜、円安と関税が揺さぶる世界経済

米財務長官の訪日交渉と米中首脳会談を5月中旬に控え、ドル円が156円台で高止まりするなか、トヨタが米関税の影響1.4兆円を計上した一方で上場企業全体は5年連続最高益を更新し、ロシア・イランをめぐる地政学リスクが原油価格を高止まりさせている。

Executive Summary

  • 米財務長官スコット・ベッセントが5月11日から訪日し、高市首相・片山財務相・植田日銀総裁と円安・関税・経済安全保障を議題に会談予定
  • トランプ大統領が5月14〜15日に北京で習近平主席と会談するため、ベッセント訪日はその直前の布石と位置付けられる
  • ロシア・ウクライナ停戦宣言が実態を伴わず攻撃継続、米イランのホルムズ交渉は核問題で難航し原油はWTI104ドル台高止まり
  • 日本上場企業の2026年3月期純利益は5年連続過去最高を更新する見通しだが、トヨタは関税影響で営業利益が前期比20.8%減
  • 国家情報会議創設法案が本日(5月8日)から参院で審議入り

国内政治・経済

国家情報会議創設法案、参院で審議入り——プライバシー保護に懸念残る

国家情報会議創設法案が5月8日、参議院での審議入りを迎えた。同法案は4月23日に衆院を通過しており、今国会中の成立が見込まれている。法案は外交・安全保障に関する重要情報の収集・分析司令塔として「国家情報会議」を設置し、首相を議長に官房長官ら9閣僚で構成する。現行の内閣情報調査室(内調)を格上げし事務局「国家情報局」として位置づける設計だ。野党の多くは個人情報・プライバシー保護や政治的中立性の確保を付帯決議で担保することで賛成に転じており、日本共産党のみが「廃案を求める」と反対の立場を維持している。高市政権が推進する経済安全保障の体制強化策の柱と位置づけられ、参院での審議を経て成立すれば情報機関の組織・権限が大きく拡充されることになる。今後の参院審議では、情報収集の対象範囲と国民監視への活用制限に焦点が当たる見通しだ。

KSI政策ニュース.jppolicynews.jp 東京新聞デジタルtokyo-np.co.jp


実質賃金3ヶ月連続プラス——日銀の追加利上げ路線を支持

厚生労働省が発表した2026年3月分の毎月勤労統計によると、物価変動を加味した実質賃金は前年同月比1.0%増となり、3ヶ月連続のプラスを記録した。持ち家の帰属家賃を除く消費者物価指数(CPI)で算出した実質賃金も同1.0%増、CPI総合ベースでは1.3%増と4ヶ月連続のプラスとなっている。2021年2〜8月以降で最長の連続プラス期間となる。春闘での大幅な賃上げ合意が実際の給与データに反映され始めており、日本銀行が政策正常化の前提条件としてきた「賃金と物価の好循環」が確認されつつある。日銀は2025年12月に政策金利を0.75%へ引き上げており、市場は2026年内にさらに2回の0.25%利上げが実施され、年末には1.25%前後に達すると見込んでいる。個人消費の回復が本格化するかどうかが、次の政策判断の鍵を握る。

Bloombergbloomberg.com


ベッセント米財務長官、5月11日から訪日——円安・関税・経済安保が議題

米財務省は、スコット・ベッセント財務長官が5月11日から3日間の日程で訪日し、高市早苗首相・片山さつき財務相・植田和男日銀総裁らと相次いで会談すると発表した。訪日の直後、ベッセント氏は5月14〜15日に北京で開催される米中首脳会談に参加するため訪中する予定であり、今回の訪日は大局的な対中戦略の一環として位置づけられる。会談では、ゴールデンウィーク中に政府・日銀が実施したとされる4〜5兆円規模の為替介入の是非や、投機的な円売りへの対処策が主要議題になるとみられる。加えて、2025年7月に締結した日米関税合意(自動車・相互関税とも15%)の履行状況の確認、重要鉱物の確保を含む経済安全保障分野の協力拡大についても議論が予定されている。市場では「米国の財務長官が直接乗り込んで円安を議論することは、口頭での円安是正効果が高い」との見方があり、会談前後の為替動向への注目度が高まっている。

日本経済新聞nikkei.com 時事通信jiji.com


日米関税合意の枠組みと今後の交渉——農産物・為替が引き続き焦点

2025年7月に締結した日米関税合意では、日本からの乗用車に課される関税率が27.5%から15%に引き下げられ、相互関税については従来税率15%未満だった品目を一律15%に統一した。日本はバイオエタノール・大豆・トウモロコシ・肥料などの米国農産品の購入拡大と、ミニマムアクセス枠を通じた米国産コメの調達確保を受け入れている。また日本は総額約5,500億ドルの対米投資を覚書で約束しており、半導体・AI・航空宇宙などへの資金流入が期待される。2026年5月現在は合意から約10ヶ月が経過し、相互関税(2025年4月5日発動分)のフェーズ1に係る還付申請期限が5月上旬に到来しており、企業側の対応が急務となっている。ベッセント訪日では、合意内容の履行確認に加え、円安是正や追加投資拡大に向けた交渉が続くとみられる。

日本経済新聞nikkei.com


国際政治・地政学

米中首脳会談、5月14〜15日に北京で開催——エネルギー・台湾・中東も議題

トランプ米大統領と習近平中国国家主席の首脳会談が5月14〜15日に北京で開催される。当初3月下旬〜4月初旬を予定していたが、米国がイランへの軍事作戦を開始した影響で延期された。今回の会談ではトランプ政権が中国に対して米国産農産品・航空機・LNGの購入拡大を要求するとみられ、11月の米中間選挙を見据えた経済・貿易分野での成果づくりが主眼に置かれる。一方、台湾問題・ホルムズ海峡を含む中東情勢・技術輸出管理なども不可避の議題となる見通しだ。ホワイトハウスのレビット報道官は習主席が年内にワシントンを訪問する予定とも明らかにしており、米中関係の安定化に向けた外交的摩擦低下が意識されている。市場では、会談の成果次第で中国株・人民元・原油価格が大きく動く可能性があるとして警戒感が高まっている。

日本経済新聞nikkei.com Bloombergbloomberg.com


米イラン交渉、暫定合意に接近も核問題で隔たり——ホルムズ作戦を一時停止

トランプ政権とイランは、2026年3月以来続く武力衝突の終結に向けた協議を継続しており、米国が提示した「軍事行動の停止と核協議の枠組みを定めた1ページ・14項目の覚書」にイランが応答するかが焦点となっている。5月5日、トランプ大統領はホルムズ海峡における船舶通航支援作戦「プロジェクト・フリーダム」を短期間停止すると発表し、最終合意に向けた環境整備を図った。しかしイランは核問題——特にウラン濃縮の一時停止要求——で米国の提案を拒否したと伝えられ、協議は難航している。2026年2月28日に始まったホルムズ海峡の実質的閉鎖は2ヶ月を超えており、IEAは世界の石油供給の約1,400万バレル/日が混乱していると警告している。IEAのビロル事務局長は「1970年代の石油ショックやロシアのウクライナ侵略を上回る影響」と表明した。米国産原油を含む代替供給の確保とホルムズ再開が実現するまで、原油市場の高止まりが続く可能性が高い。

ジェトロjetro.go.jp ニューズウィーク日本版newsweekjapan.jp


ロシア・ウクライナ「停戦宣言」が実態を伴わず——8〜9日の一時停止も攻撃継続

ロシアのプーチン大統領は対独戦勝記念日(5月9日)に合わせ「5月8〜9日の2日間、一方的に停戦する」と宣言した。しかしウクライナが独自に表明した6日からの停戦期間に対してもロシアは攻撃を継続し、ウクライナ軍は6日夜に無人機108機とミサイル3発による攻撃を受けたと発表した。ウクライナのシビハ外相は「ロシアが停戦を破った」と公式に非難している。ゼレンスキー大統領が求める「最低30日間の全面停戦」とプーチン氏が提示した「48時間限定停戦」の間には依然として大きな隔たりがあり、実質的な停戦交渉の進展は見通せない状況だ。エネルギーインフラへの攻撃が続くなか、欧州向けの天然ガス供給への影響やウクライナ復興資金の議論も停滞している。米国はイランとの交渉を優先し、ウクライナ問題への関与が相対的に低下しているとの指摘もある。

日本経済新聞nikkei.com AFPBB Newsafpbb.com


英米「経済繁栄協定(EPD)」——交渉は継続、ウイスキー関税撤廃が象徴的妥結

2025年5月に合意の原則を確認した英米「経済繁栄協定(EPD)」は、2026年5月現在も具体的な実施交渉が継続している。2026年3月の英国通商相確認によれば、英国は依然として米国のグローバル関税10%の適用を受けており、鉄鋼・医薬品・自動車については以前に合意した業種別の優遇措置が維持されている。今週、トランプ大統領はチャールズ国王夫妻の訪米に合わせ「スコッチウイスキーへの関税を撤廃する」と宣言し、英米の緊密な外交関係を演出した。ただし協定の本体交渉は米国側の優先度が中東や中国との交渉に注がれており、包括的な貿易自由化の実現は依然として先行きが不透明な状況だ。米最高裁判所が2026年2月にトランプ政権の一部関税措置の合法性に疑義を呈する判決を下したことを受け、既存の二国間合意の履行を優先する方針も確認されている。

USTRustr.gov CNBCcnbc.com


マーケット・金融

ドル円、156.80円前後で神経質な展開——政府・日銀がGW中に4〜5兆円介入か

5月8日のドル円相場は1ドル=156.80円前後で推移し、予想レンジは156.10〜157.70円と設定されている。米国とイランの交渉をめぐる報道に反応して日中に乱高下し、イランが米提案を拒否したとの報道が流れるとドルが156円台後半へ切り返す展開となった。市場関係者の注目点は、ゴールデンウィーク中(4月29日〜5月5日)に政府・日銀が実施したとされる為替介入の規模だ。複数の報道によれば、その規模は4〜5兆円に上るとみられ、確認されれば2025年以来の大規模介入となる。11日からのベッセント財務長官訪日が口頭での円安是正効果をもたらすとの見方も多く、市場は介入警戒感と米日金利差縮小の狭間で方向感を探っている。FRBが政策金利を3.5〜3.75%に据え置く一方、日銀が年内に0.5%程度追加利上げする見通しであることが円の下支えになる場面もあるが、ホルムズ情勢によるリスクオフの円買いも起きており、相場は複合的なドライバーに揺れている。

外為どっとコムgaitame.com 日本経済新聞nikkei.com


FRB、3会合連続で政策金利据え置き——利下げ・利上げ両方の選択肢を保持

米連邦準備制度理事会(FRB)は4月29日のFOMCで、フェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を3.5〜3.75%に据え置くことを決定した。3会合連続の据え置きとなる。声明文には「追加的な」緩和措置が示唆される文言が盛り込まれたとして市場は「緩和バイアス」と解釈したが、ミラン理事が25bp利下げを主張し3名が声明文の文言に反対するなど、委員会内の見解の相違が鮮明となった。FRBが直面する環境は複雑で、ホルムズ海峡危機に伴うエネルギー価格上昇がインフレ再加速リスクを高めている一方で、2026年2月のコアPCE物価指数は前年比3.0%と2022年のピーク5.5%超から大幅に低下している。J.P.モルガンは2026年内は据え置きが続き、次の動きは2027年第3四半期の25bp利上げになると予想している。市場は現状の高金利環境が長期化するシナリオを織り込みつつある。

Federal Reservefederalreserve.gov J.P. Morganjpmorgan.com


原油価格、WTI104ドル台で高止まり——ホルムズ封鎖が供給1,400万バレル/日を阻害

5月8日の国際原油市場では、WTI原油先物が1バレル104ドル台で取引されており、4月に記録した一時105ドル超に近い水準を維持している。北海ブレント先物も110ドル台で推移する。2026年2月28日に実質的に始まったホルムズ海峡の封鎖状態が2ヶ月超にわたって続いており、IEAはこれが世界の石油供給の約1,400万バレル/日に影響を与えていると試算する。米国が「プロジェクト・フリーダム」作戦を一時停止したことで交渉妥結への期待感から原油が一時急落する場面もあったが、イランが核問題での合意を拒否したとの報道を受けて急反発した。日本はホルムズ経由の中東原油に依存度が高く、石油元売り各社はスポット市場での代替調達と製油所の稼働調整で対応しているが、ガソリン・電力コストの上昇が家計・産業界双方を圧迫している。国内ガソリン価格はリッター200円台前半で高止まりしており、政府の補助措置の延長議論が続いている。

Bloombergbloomberg.com 日本経済新聞nikkei.com


米株・日本株、ハイテク主導で高値圏も地政学リスクが頭を押さえる

5月7日のS&P500種株価指数は前日比0.38%安の7,337.11で引けた。5月に入って最高値更新を繰り返してきたが、イランの交渉拒否報道が伝わった局面でリスクオフの売りが出た。S&P500を構成する銘柄の2026年第1四半期決算では314社が発表を終え、83%が利益予想を上回り78%が売上高予想を上回るなど企業収益は堅調だ。AIインフラ投資を継続するメガテック4社(Microsoft・Google・Meta・Amazon)の2026年設備投資合計は6,800〜7,200億ドル規模が見込まれ、半導体・クラウド関連株の支持要因となっている。日経平均は5月8日に3日ぶりの反落となった。週間ではハイテク株の2極化が目立ち始め、AI恩恵を受けるグループと関税・中東コストの影響を受けるグループの業績格差が鮮明になってきている。野村證券のS&P500の年末予想は、イラン情勢の収束とAI需要拡大を前提に7,500に引き上げられている。

財経新聞zaikei.co.jp 野村證券nomura.co.jp


日銀の金融政策——政策金利0.75%を維持、追加利上げは秋以降か

日本銀行は4月28日の金融政策決定会合で政策金利(無担保コール翌日物)を0.75%に据え置くことを決定した。植田和男総裁は会見でインフレ・賃金データの改善を肯定的に評価しつつも、ホルムズ海峡危機に伴う輸入コスト上昇が「輸入型インフレ」として実質所得を圧迫するリスクについて慎重に見極める姿勢を示した。市場の大勢は、7月の決定会合で0.25%の追加利上げを行い年末には1.0〜1.25%に到達するシナリオを想定している。ただし、ベッセント財務長官との会談で円安是正への言及が出た場合、利上げ前倒しの圧力が高まる可能性がある。5月11日の植田総裁とベッセント長官の会談の内容が、次の政策判断に向けた重要なシグナルとなりうる。

日本銀行boj.or.jp Bloombergbloomberg.com


企業・産業

トヨタ2026年3月期決算——関税影響1.4兆円で純利益35%減、営業益3.8兆円に下方修正

トヨタ自動車は5月8日、2026年3月期の通期決算を発表した。営業利益は前期比20.8%減の3兆8,000億円で、かつて4兆円以上を誇った水準から大幅に後退した。純利益の減少幅はさらに大きく、米関税の影響1兆4,500億円を通期で計上したことが主因となった。関税影響のうち4〜5月分だけで1,800億円のマイナスが見込まれるほか、円高方向の為替変動が7,450億円、資材価格高騰が3,500億円それぞれ収益を押し下げた。今後の見通しについてトヨタは「関税や中東リスクを一過性とは捉えず」、生産体制の多様化と北米現地生産の拡充で構造的なコスト削減を図る方針を示した。他の国内自動車メーカー各社も同様の関税影響を受けており、自動車産業全体の業績押し下げ効果は数兆円規模に達する。日米関税交渉の行方が、今後の自動車産業の業績を左右する最大の変数となっている。

トヨタイムズtoyotatimes.jp 日本経済新聞nikkei.com ニュースイッチ(日刊工業新聞)newswitch.jp


上場企業2026年3月期——5年連続過去最高益、DEジタル化が業種横断で底上げ

東証上場企業の2026年3月期の純利益は、期初の前期比2%減予想から一転して1%増となり、5年連続で過去最高を更新する見通しとなった。自動車セクターが関税の逆風を受ける一方で、IT・金融・素材・建設機械などの業種が堅調な業績を記録している。株式市場では日経平均が一時6万円台に到達した局面もあり、半導体価格の上昇が電子部品・材料関連企業の利益を押し上げた効果が大きかった。金融セクターでは日銀の利上げが利ざやの改善につながっており、メガバンク・地銀とも増益基調が続く。2027年3月期についても、AIインフラ投資の継続とデジタルトランスフォーメーション関連需要を背景に増益継続を見込む企業が多いが、米関税の影響と円高リスクをどこまで織り込むかが、業績予想の精度を分けるポイントとなっている。

日本経済新聞nikkei.com


NEC2026年3月期——純利益54%増の2,702億円で最高益、DX・防衛需要が寄与

NECの2026年3月期の連結決算は、純利益が前期比54%増の2,702億円となり過去最高益を更新した。売上高も5%増の3兆5,827億円を計上した。政府・官公庁向けのデジタルトランスフォーメーション(DX)案件、防衛・安全保障分野の大型システム受注、および通信インフラのクラウド移行需要が業績を牽引した。高市政権が進める経済安全保障政策のもとで、国内ITシステムの国産化・国内調達を推進する動きが官公庁向け案件の増加につながっている面もある。同社は1株あたり配当を6円積み増しすると発表し、株主還元を強化する姿勢を示した。国内ITサービス大手は軒並み政府デジタル化・サイバーセキュリティ強化の恩恵を受けており、富士通・NTTデータなども増益基調が続いている。

日本経済新聞nikkei.com


コマツ2026年3月期——売上高4.1兆円、半導体産業向け産業機械が牽引

コマツ(小松製作所)の2026年3月期連結売上高は4兆1,328億円と前期比0.7%増となった。建設機械部門では販売価格の引き上げが功を奏し、北米・東南アジア向けの需要が安定推移した。産業機械事業では半導体製造装置向けの需要拡大が顕著で、国内外の半導体工場建設ラッシュに伴う受注増加が収益を押し上げた。資源価格の高止まりにより鉱山向け大型機械の需要も底堅く、エネルギー転換に伴うインフラ整備需要も新たな成長ドライバーとなっている。2027年3月期については、インフラ老朽化更新・データセンター建設・再生可能エネルギー設備向け需要を中心に堅調な受注継続を見込んでいる。

コマツkomatsu.jp


AIデータセンター投資、2026年も拡大継続——Big Tech4社で7,000億ドル超

マイクロソフト・Google・Meta・Amazonの主要テック4社が2026年に計上するAI・データセンター向け設備投資の合計は6,800億〜7,200億ドルに達する見通しで、前年比でさらに拡大している。AMD・Aristaなどのデータセンターインフラ関連企業が2026年第1四半期に好決算を発表し、AI需要の持続性を裏付けた。日本においても、データセンター建設用地の確保競争が激化しており、用電力の確保が大きな課題となっている。国内の半導体市場は2026年に501億ドル規模に拡大する見通しで、2025年の448億ドルから11.9%の成長が予測されている。一方でGoogleとBroadcomのAIチップ提携に代表される大手テック企業の内製化加速は、半導体大手エヌビディアの長期優位性に対する懸念材料ともなっており、市場の構造変化が進んでいる。

FPトレンディfptrendy.com


関西電力美浜原発3号機、蒸気漏れで運転停止——外部への影響なし

関西電力は5月8日、福井県・美浜原子力発電所3号機(加圧水型、出力82万6,000kW)が蒸気漏れを検知したため運転を停止したと発表した。発電所敷地外への放射性物質の漏えいは確認されていない。国内の電力需給への影響は現時点で限定的とされているが、エネルギー価格が原油高で上昇圧力を受けているなかでの原発停止は、関西圏の電力コスト上昇リスクとして意識される。再稼働に向けた点検・原因究明の日程は未公表であり、夏の電力需要期に向けて影響が長期化した場合は電力調達の見直しが必要になる可能性がある。政府は原子力の活用を電力安定供給の柱と位置づけており、稼働状況の動向が注視される。


トランプ関税「IEEPA根拠」に法的疑義——企業の還付申請期限が5月上旬に集中

米国連邦裁判所は2026年初旬、トランプ政権がIEEPA(国際緊急経済権限法)を根拠に賦課した一部関税について「同法は関税賦課権限を大統領に与えていない」とする判決を下した。米政府は上訴しており最終決着は未確定だが、関税の法的基盤に対する不確実性が企業の調達・投資計画を複雑にしている。さらに、2025年4月5日に発動した相互関税のフェーズ1分に係る還付申請期限が2026年5月上旬に到来しており、日本企業を含む輸出入業者は手続き対応を急いでいる。日本の経済産業省は「米国関税措置への対応ワンストップポータル」を通じて企業への情報提供を行っている。還付が認められた場合の金額規模は企業によって数億円から数十億円に上るとみられ、今後の訴訟動向が企業業績に直接的な影響を与える可能性がある。

経済産業省meti.go.jp ジェトロjetro.go.jp