Claude Opus 4.7正式リリース・GPT-5.5がコーディングで最高スコア・Soraついに終了
AnthropicのClaude Opus 4.7が高解像度ビジョンやタスクバジェットなど新機能を引っ提げ正式リリース、一方OpenAIはSoraを完全終了しGoogleのVeoが市場を席巻する激動の1週間。
1. Claude Opus 4.7正式リリース——高解像度ビジョン・タスクバジェット・新トークナイザー搭載
Anthropicは4月16日、同社最上位の汎用モデル「Claude Opus 4.7」を正式リリースした。前世代Opus 4.6から複数の重要機能が追加されており、まず注目されるのは高解像度画像サポートだ。最大画像解像度が従来の1568px(1.15MP)から2576px(3.75MP)へ大幅に引き上げられ、精密な図表や医療画像の解析精度が向上した。
新機能「タスクバジェット」では、エージェントループ全体(思考・ツール呼び出し・出力を含む)のトークン目標をモデルに提示し、カウントダウンを参照しながら作業を優先順位付けして完遂する制御機構が実装された。また推論努力レベルにxhigh(エクストラハイ)が追加され、highとmaxの間でより細かなレイテンシ・性能トレードオフが選択できるようになった。
パフォーマンス面では、93タスクのコーディングベンチマークでOpus 4.6比13%の解決率向上を達成。SWE-bench Verifiedでは87.6%と、GPT-5.4の74.9%を大きく上回る。価格はOpus 4.6と同一の入力$5/出力$25(100万トークンあたり)で据え置かれた。さらに今後リリース予定の「Mythos」クラスモデルへの段階的な安全対策として、サイバーセキュリティ分野の禁止用途を自動検出・ブロックする仕組みも搭載されている。
2. GPT-5.5リリース——エージェントコーディングでTerminal-Bench 2.0の82.7%達成
OpenAIは4月24日にGPT-5.5をAPIで公開した。同モデルは長時間稼働するエージェント的コーディング作業——大規模コードベース、複数ファイルのリファクタリング、曖昧なデバッグ、ツール使用、テスト生成——に特化して最適化されている。Terminal-Bench 2.0で82.7%の最先端スコアを記録し、SWE-Bench Proでは58.6%を達成した。
注目点はコンピュータ操作のネイティブサポートだ。GPT-5.5は複数のアプリケーションにまたがる複雑なワークフローをエージェントとして実行できる最初の汎用モデルとして位置づけられている。またOpenAIはChatGPT・コーディングツール・ブラウザ機能を一つのインターフェースに統合した「AIスーパーアプリ」へと進化するロードマップを描いており、GPT-5.5はその重要なマイルストーンとなる。
仮のエージェントリーダーボードでは、非公開プレビュー中のClaude Mythos(100%)に次ぐ99.5%でGPT-5.5が2位につけており、Gemini 3 Pro Deep Think(95.7%)を上回る。クロードとGPTの競争はベンチマークの細分化とともにより熾烈になっている。
3. OpenAI、Soraを4月26日に正式終了——一日あたり$1500万の赤字が決め手
OpenAIのAI動画生成サービス「Sora」が4月26日にアプリを終了し、APIも9月24日に廃止される見込みだ。同プロダクトはサービス期間中に1日あたり推定1500万ドルのコストを消費する一方、ライフタイム収益はわずか210万ドルに留まった。計算資源の不足、コスト圧力、そして主力エンタープライズ製品への経営資源集中が背景にある。
この決定はDisneyとの大型パートナーシップにも波紋を広げた。DisneyはOpenAIとの間で交渉していた10億ドル規模の出資と3年間のキャラクターライセンス契約を白紙に戻した。動画生成AIの分野においてOpenAIの撤退は市場に大きな空白を生む。
その空白を埋めるように動いているのがGoogleだ。同社はVeo 3.1 Liteを開発者向けの低コスト動画生成モデルとしてリリースしつつ、Googleフォト・Googleドキュメント等の既存サービスへのVeo統合を積極的に推進している。スタンドアロン製品として成立させようとしたOpenAIとは対照的な、「既存ユーザー基盤への組み込み」戦略の有効性が改めて浮き彫りになった。
4. GoogleがGoogle Cloud Nextでエージェント型AIツール群を大規模発表
Googleはラスベガスで開催した年次カンファレンス「Google Cloud Next 2026」で、企業向けAIエージェント構築・管理ツールの包括的なスイートを発表した。企業内で複数のAIエージェントが作業し、進捗状況を報告する専用インボックスを持つ形で協働できる新しいワークフロー基盤が公開された。
Workspaceにも大幅なAI機能強化が追加され、Google Docs・Sheets・Gmailにわたる日常業務の自動化を担う新エージェント機能が展開される。Gemini 3.1はリアルタイム音声・画像解析を追加し、Googleの圧縮アルゴリズムがAIのメモリ需要を6分の1に削減するという成果も発表された。
Anthropicへの最大400億ドルの追加出資をGoogleが表明するなど(Amazon出資250億ドルと合わせ)、エコシステムへの投資規模も桁外れだ。エージェント時代の「インフラ覇権」争いは2026年後半に向けてさらに加速しそうだ。
5. Claude Codeの品質低下問題——Anthropicが3つの原因を公表・謝罪と改善を表明
Anthropicは、3月〜4月にかけてClaude CodeおよびClaude Agent SDKのパフォーマンスが低下していた問題の内部調査結果を公表した。原因は3点あり、①3月4日にデフォルト推論努力レベルを「high」から「medium」に引き下げたこと(4月7日に復元)、②3月26日のキャッシュ最適化変更でセッションデータが失われるバグが混入したこと(Sonnet 4.6・Opus 4.6向けに4月10日修正)、③4月16日に実施したシステムプロンプトの冗長性削減変更が逆効果となり4月20日に撤回したこと、の3つだ。
この一連の問題はユーザーから数週間にわたる強い批判を受け、Fortuneなどのメディアにも取り上げられた。Anthropicは「既存サブスクライバーに対してサイレントな変更は行わない」と公約した。同社はまた、一部Proプランユーザーを対象にClaude Codeをプランから除外するテストを実施したことも認めており、今後の料金体系や変更プロセスへの透明性強化が求められている。
6. MetaがMuse Sparkを発表——Meta超知能ラボ初のMuseシリーズ
Metaは新部門「Meta Superintelligence Labs」が開発したAIモデル「Muse Spark」(開発コード名:Avocado)を発表した。MuseシリーズはMetaにとって新しいモデルファミリーで、今回の発表はその第一弾となる。Alexandr Wangをリクルートし140億ドルを投じた大型再編の後、MetaがGoogleやOpenAIを追う姿勢を鮮明に打ち出した形だ。
7. AIソフトウェアプラットフォーム市場、2026年に$1069億へ拡大
市場調査レポートによると、AIソフトウェアプラットフォーム市場は2025年の798億ドルから2026年には1069億ドルへと年率34.7%で成長する見込みだ。2030年までに2966億ドルへ達すると予測されている。Google・Microsoft・AWS・Tencent・IBMが2025年市場をリードしており、エンタープライズAIの主戦場はモデル単体から統合プラットフォームへとシフトが進んでいる。
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8. MIT、AIワークロードの消費電力を高速推定する「EnergAIzer」技術を発表
MITの研究者が、特定のプロセッサ上でAIワークロードが消費する電力量を予測する技術「EnergAIzer」を発表した。データセンター運営者やアルゴリズム開発者がAIの持続可能性を改善するうえで有用とされ、2028年までに米国の総電力消費の最大12%をデータセンターが占めるという予測を背景に、実用性が注目されている。