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GemmaとOLMoが拓くオープンAI時代—GoogleとAllen AIが新世代オープンモデルを投入

GoogleがGemma 4ファミリーとNotebookLM×Gemini統合を推進し、Allen AIが完全オープンなOLMo 3を公開。Claude CodeはFocus Viewで開発体験を刷新した。

1. GoogleがGemma 4ファミリーを公開—26Bと31Bモデルを中心にオープンソース展開

Googleは2026年4月2日、Gemmaモデルファミリーの最新版「Gemma 4」を公開した。今回リリースされたのは「gemma-4-26b-a4b-it」と「gemma-4-31b-it」の2種で、どちらもGoogle AI StudioおよびGemini API経由で利用可能だ。Gemma 4シリーズはマルチモーダル対応を強化しており、テキストと画像の両方を入力として扱える。特にgemma-4-26bはアクティブパラメータが約4Bに抑えられたSparse Mixture-of-Experts構成を採用しており、高性能ながら推論コストを大幅に削減できる設計となっている。オープンウェイトモデルとして研究・商用ともに自由に利用できることから、中小規模の開発チームや研究者にとって費用対効果の高い選択肢として注目されている。Gemini 3.1 Proの発表直後にGemmaファミリーも強化されたことで、GoogleのオープンAI戦略が一層鮮明になった。

2. NotebookLMがGeminiインターフェースに完全統合—AIリサーチ基盤がさらに強化

GoogleはAI駆動のリサーチアシスタント「NotebookLM」をGeminiチャットインターフェースへ直接統合した。これにより、ユーザーはGeminiのサイドパネルからPDF・ドキュメント・ウェブサイトURL・YouTube動画・テキストをアップロードし、アプリを切り替えることなく検索可能な情報リポジトリを構築できるようになった。特に企業や研究者が大量のドキュメントを横断検索・要約する際のフローが大幅に改善される。Gemini 3.1 Proが持つ100万トークンのコンテキストウィンドウと組み合わせることで、丸ごとのコードベースや学術論文群をリアルタイムで処理・参照しながら対話できる体験が実現する。競合のAnthropicがManaged Agentsでエンタープライズ向けエージェント基盤を固めている中、Googleは既存ユーザーのワークフロー深化を通じたエコシステム囲い込みを進めている形だ。

3. MetaとAMDが最大1000億ドルのAIチップ取引を締結—Nvidia依存からの脱却へ

Metaは2026年2月末、AIインフラの多様化に向けてAMDとの大型チップ取引を発表した。対象はAMD MI540 GPUおよび最新世代CPUで、取引総額は最大1000億ドルに上る。契約にはAMDがMetaにパフォーマンス条件付きで最大1億6000万株(約10%相当)のワラントを付与するという異例の株式連動スキームも含まれており、AMDにとってNvidiaに次ぐ第二の巨大顧客確保という戦略的意義は大きい。MetaはAIインフラへの2026年の設備投資として1350億ドルを見込んでおり、その中核をAMDチップが担う形となる。最初の1ギガワット展開は2026年後半に予定されており、Meta CEOのマーク・ザッカーバーグが掲げる「個人向けスーパーインテリジェンス」の実現に向けた計算資源確保策の一環だ。

4. Claude CodeがFocus ViewとAlt-screenレンダラーを搭載—開発体験を刷新

AnthropicのコーディングエージェントClaude Codeが大幅なUI改善を含むメジャーアップデートを実施した。最大の目玉は新しいAlt-screenレンダラーで、仮想スクロールバックを備え、プロンプト入力欄が常に画面下部に固定される。長いセッションでのちらつきが解消され、マウス選択も全体を通じて正しく機能するようになった。また、Ctrl+Oで切り替えられる「Focus View」が追加され、プロンプト・1行ツールサマリー(編集差分統計付き)・最終レスポンスのみをシンプルに表示できる。これに加え、サブエージェントがMCPツールを正しく継承しないバグ、分離ワークツリー内でのファイルアクセス拒否バグも修正された。Windowsユーザー向けにはgit-bash誤検出エラーも解消されており、クロスプラットフォームでの安定性が向上した。

5. Allen AIがOLMo 3を公開—完全オープンな7B/32Bモデルがベースライン性能で首位

非営利AI研究機関のAllen AI(AI2)は、完全オープンな大規模言語モデル「OLMo 3」を発表した。7Bと32Bの2サイズが公開されており、学習データ・コード・モデルウェイトのすべてがオープンソースとして提供される。HuggingFaceのリニューアル版Open LLM Leaderboardにおいてベースライン性能と推論タスクでトップクラスのスコアを記録しており、GPT-4o相当の性能を持つとされる商用モデルと互角の能力を示した。MetaのLlama 4 Maverick、MistralのLarge 3と並ぶ有力なオープンウェイトモデルとして研究コミュニティから高く評価されている。再現性・透明性・研究倫理を重視したAI開発姿勢が改めて注目を集めており、商業的なクローズドモデルに対抗するオープンAIエコシステムの柱として期待される。

6. Gemini 3.1が月間アクティブユーザー7.5億人に到達—ただし成長は鈍化傾向

GoogleのAIアシスタントGeminiが2026年3月に月間アクティブユーザー7億5000万人を達成したことが明らかになった。Gemini 3.1 Proのグローバルロールアウトや、Android・ChromeへのGemini組み込み深化が利用者増に寄与したとみられる。しかし4月に入り成長ペースが鈍化しているとの報告もあり、ChatGPTやClaudeとの競争が激化する中でのユーザー定着が今後の課題となっている。一方でエンタープライズ向けVertex AIサービスでは引き続き需要が拡大しており、大手企業によるGemini導入事例が積み重なっている。個人向けコンシューマー市場と法人向けAPIビジネスの両輪で差別化を図る戦略の成否が、2026年後半のAI市場勢力図を大きく左右しそうだ。